
しかしその発想を転換し、この窓を室内空間ではなくあまり気密性の必要ではない廊下側に設けてみてはどうだろうか?気密性をそれほど気にしないので、部屋側に設けるものよりサッシュなどを軽くすることもできますし、その分で部屋がよりコストが安く設けられるかと思います。
もちろん、一般的な窓よりはコストは高いですが、それを補うことが出来る空間を形づくることができるかと思います。
まずは廊下の開放感。このワイドオープンタイプの最大の特徴である引きしろが残らないというメリットを生かして、解放時には廊下でありながら屋外廊下をあるいているような空間を構成できるかと思います。もちろん暑かったり台風時などは締め切ればいいだけなので、通常時は開放して屋外廊下的に活用したいと思います。
またその廊下の外側には縁側を設けることにより、廊下という公共空間でありながら居心地のよいスペースと感じることができればと思います。またその縁側も段上に設けることによって、ベンチ的に好きな位置に座ることもでき、またその先に設ける庭へも気軽に往来できればと思います。
とかく通過するだけになりがちな廊下も、一工夫することにより全く異なった趣を形づくることができるかと思います。一見無駄のように思えますが、このような空間があることによりその建物に居住している他の人との交流を促すことができると思います。部屋はプライバシー重視して、廊下側はコミュニティ的に活用できる。そんな廊下を目指しています。
リスクは折り戸という強度が弱い窓が台風に耐えられるか否かということ。そして通常に引き違い窓よりはるかに高いコストになります。コスト的に問題があればサッシュの奥行きを大きくして、片引きにして一カ所に集約する方法でもこれに近い空間構成をつくることができると思います。
方式はさておき、目指すものは廊下をただの通過空間にするのではなく、プライベート空間とは違ったコミュニティ空間の一部として活用できればといとことです。