ワイドオープンタイプも全開放サッシュというものをみなさんも見たことがあると思いますが、窓の引きしろを残すことなく開放できる折り戸方式の窓。本来ならこれを室内空間に採用したいところですが、この扉の最大のネックはその気密性の悪さ。とかく台風が多い沖縄にはあまり適していないと思われます。
しかしその発想を転換し、この窓を室内空間ではなくあまり気密性の必要ではない廊下側に設けてみてはどうだろうか?気密性をそれほど気にしないので、部屋側に設けるものよりサッシュなどを軽くすることもできますし、その分で部屋がよりコストが安く設けられるかと思います。
もちろん、一般的な窓よりはコストは高いですが、それを補うことが出来る空間を形づくることができるかと思います。
まずは廊下の開放感。このワイドオープンタイプの最大の特徴である引きしろが残らないというメリットを生かして、解放時には廊下でありながら屋外廊下をあるいているような空間を構成できるかと思います。もちろん暑かったり台風時などは締め切ればいいだけなので、通常時は開放して屋外廊下的に活用したいと思います。
またその廊下の外側には縁側を設けることにより、廊下という公共空間でありながら居心地のよいスペースと感じることができればと思います。またその縁側も段上に設けることによって、ベンチ的に好きな位置に座ることもでき、またその先に設ける庭へも気軽に往来できればと思います。
とかく通過するだけになりがちな廊下も、一工夫することにより全く異なった趣を形づくることができるかと思います。一見無駄のように思えますが、このような空間があることによりその建物に居住している他の人との交流を促すことができると思います。部屋はプライバシー重視して、廊下側はコミュニティ的に活用できる。そんな廊下を目指しています。
リスクは折り戸という強度が弱い窓が台風に耐えられるか否かということ。そして通常に引き違い窓よりはるかに高いコストになります。コスト的に問題があればサッシュの奥行きを大きくして、片引きにして一カ所に集約する方法でもこれに近い空間構成をつくることができると思います。
方式はさておき、目指すものは廊下をただの通過空間にするのではなく、プライベート空間とは違ったコミュニティ空間の一部として活用できればといとことです。
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2007年05月10日
開放感が高く、外部空間とも一体的に活用できる廊下
posted by 離島ドットコム管理人 at 20:23
| アイデア:共用スペース
エアコン要らずの空間構成・窓配置
室内空間は沖縄でもある程度の通風が確保できればエアコン無しでも十二分に過ごせると思います。特に沖縄では日影と日なたの気温差が大きく、日影での通風を確保すれば夏場でも涼しさを感じることが出来ると思います。
基本的に室内の通風は窓が2方向、しかも相反する面に窓があると風がスムーズに流れます。角部屋のような90度を面する部分の窓でもある程度の通風は期待できますが、どうしても部屋を満遍なく通風を促すことはなかなか難しく、やはりベストなのは180度異なる面、つまり南側と北側のような場所に窓を設けることが望ましいと思います。
しかし南側に窓を設けるとなるとどうしても北側には廊下空間など共用部分に面する扉などが多く、なかなかかメインの窓の反対側に窓を設けることは困難かと思います。加えて廊下側に窓を設けるとセキュリティやプライバシー的に問題も生じることも多いかと思います。
しかし平屋もしくは最上階が前提になってしまいますが、その廊下側の扉の上にさらなるハイサイドライト(高窓)を設けることによって、プライバシーを守りつつ部屋に通風を促すことが可能となります。
廊下側には基本的にそれほどの天井高が必要にはならないので低く抑え、また部屋側は出来る限り天井高を高く取りたいので、その差を上手く利用すれば高窓が設けられる訳なのです。
しかもこの高窓。建築基準法上の排煙窓(煙を逃がす窓)としても扱えますので、大きな窓がある側のサッシュの形状などもかなり自由になると思われます。
そして高窓なので天井付近にこもった暑い空気を外に押し出しやすくなり、新しい空気をメインの窓から取り入れやすくなり、より室内環境の向上に繋がるかと思います。加えてもともと高窓は部屋の照度を均等に高める効果があり、メインの直射光のみならず廊下側の周囲光の明るさも得ることが出来ることでしょう。
このような窓を計画することにより常に通風が促されれば、室内環境はエアコン無しでもかなり過ごしやすくなり、補助的にシーリングファンを設ければ、より快適な室内空間をつくることができるだけではなく、インテリア的にも味わいのあるものになることでしょう。
リスクがあるとすれば高窓の開閉方式がコストの安い引き違いにすることは出来ず、倒し窓にすると雨を呼び込んでしまうので、結果的に突き出し窓というコストの高い方法を採用しないとならないこと。しかしコスト面以外ではそれほどデメリットが無い計画なので、理想の住まいとしては是非ともこの方式を採用したいと思います。
基本的に室内の通風は窓が2方向、しかも相反する面に窓があると風がスムーズに流れます。角部屋のような90度を面する部分の窓でもある程度の通風は期待できますが、どうしても部屋を満遍なく通風を促すことはなかなか難しく、やはりベストなのは180度異なる面、つまり南側と北側のような場所に窓を設けることが望ましいと思います。
しかし南側に窓を設けるとなるとどうしても北側には廊下空間など共用部分に面する扉などが多く、なかなかかメインの窓の反対側に窓を設けることは困難かと思います。加えて廊下側に窓を設けるとセキュリティやプライバシー的に問題も生じることも多いかと思います。
しかし平屋もしくは最上階が前提になってしまいますが、その廊下側の扉の上にさらなるハイサイドライト(高窓)を設けることによって、プライバシーを守りつつ部屋に通風を促すことが可能となります。
廊下側には基本的にそれほどの天井高が必要にはならないので低く抑え、また部屋側は出来る限り天井高を高く取りたいので、その差を上手く利用すれば高窓が設けられる訳なのです。
しかもこの高窓。建築基準法上の排煙窓(煙を逃がす窓)としても扱えますので、大きな窓がある側のサッシュの形状などもかなり自由になると思われます。
そして高窓なので天井付近にこもった暑い空気を外に押し出しやすくなり、新しい空気をメインの窓から取り入れやすくなり、より室内環境の向上に繋がるかと思います。加えてもともと高窓は部屋の照度を均等に高める効果があり、メインの直射光のみならず廊下側の周囲光の明るさも得ることが出来ることでしょう。
このような窓を計画することにより常に通風が促されれば、室内環境はエアコン無しでもかなり過ごしやすくなり、補助的にシーリングファンを設ければ、より快適な室内空間をつくることができるだけではなく、インテリア的にも味わいのあるものになることでしょう。
リスクがあるとすれば高窓の開閉方式がコストの安い引き違いにすることは出来ず、倒し窓にすると雨を呼び込んでしまうので、結果的に突き出し窓というコストの高い方法を採用しないとならないこと。しかしコスト面以外ではそれほどデメリットが無い計画なので、理想の住まいとしては是非ともこの方式を採用したいと思います。
posted by 離島ドットコム管理人 at 19:00
| アイデア:窓・扉・開口部
2007年05月01日
屋根面まで有効利用
建築物には室内空間以外にもテラスやバルコニーなどの屋外空間もありますが、なかなか屋根面まで有効活用する例は多くないと思われます。というのも、屋根面に細工をするとコストがいろいろかかるので、あまり活用されていない空間になってしまっています。
しかし私は建築家時代から屋根面も有効活用するプランニングをよく行っており、低層建築物だろうと、超高層であろうと、最上階の屋根面まで活用した設計を行っていました。
そして今回は住宅レベルでのアイデアですが、屋根は勾配屋根にはせず、基本的に陸屋根(ろくやね)。一部勾配屋根にして沖縄らしい赤瓦をデザインに取り込みますが、基本的に陸屋根で計画したいと思います。
最上部の屋根面なのでそこまで行く経路が問題になるかと思いますが、各室内空間にはバルコニーやテラスなどを部屋と同じレベルで設け、その部分から屋根に上がるタラップやはしごを設ければ活用できるのでは?って思います。つまり「屋外型ロフト」的な活用方法です。
もちろん雨天時は使用できませんが、それ以外の時はタラップやはしごを登って室内空間やバルコニーなどとは違った視点で景色を眺めることが出来ることでしょう。
その屋根面にはもちろん屋上緑化をしてヒートアイランド対策を少しでもできればと思いますし、屋上緑化することにより断熱効果も期待できると思います。また緑化によりより居心地の良い空間を創造することができますし、他の建物などから見下ろされる場合にも、灰色のスラブではなく緑化した環境を共有することができればと思います。
もちろん問題は何点かありまして、まずはコスト。屋上緑化のみならず人が屋根面に乗る前提で構造計算することになりますので、構造体へのコストアップにつながります。そして屋上緑化自体のコスト。これがかなりバカにならないレベルのコストがかかります。
そして最も問題になるのがメンテナンス。とかく沖縄の場合は台風などで雑草の種などが飛ばされてくることが多く、屋上緑化してもすぐに雑草でいっぱいになってしまいがちなのです。しかしこの点においては屋上緑化のテクノロジーである程度解消できるようなので、コストアップにつながりますが、雑草対策に有効な緑化システムを導入すると良いでしょう。水やりについては自動散水設備で対処可能かと思われます。
コスト面やメンテナンス面など屋上緑化のみならず屋上の有効利用には様々な障壁がありますが、第2の空間として有効活用すれば、より豊かな生活環境を創り出すことができるかと思います。環境に配慮しつつ、余すことなく空間を利用するためにも、この屋根面の有効活用は住まい構想には必須だと思います。
しかし私は建築家時代から屋根面も有効活用するプランニングをよく行っており、低層建築物だろうと、超高層であろうと、最上階の屋根面まで活用した設計を行っていました。
そして今回は住宅レベルでのアイデアですが、屋根は勾配屋根にはせず、基本的に陸屋根(ろくやね)。一部勾配屋根にして沖縄らしい赤瓦をデザインに取り込みますが、基本的に陸屋根で計画したいと思います。
最上部の屋根面なのでそこまで行く経路が問題になるかと思いますが、各室内空間にはバルコニーやテラスなどを部屋と同じレベルで設け、その部分から屋根に上がるタラップやはしごを設ければ活用できるのでは?って思います。つまり「屋外型ロフト」的な活用方法です。
もちろん雨天時は使用できませんが、それ以外の時はタラップやはしごを登って室内空間やバルコニーなどとは違った視点で景色を眺めることが出来ることでしょう。
その屋根面にはもちろん屋上緑化をしてヒートアイランド対策を少しでもできればと思いますし、屋上緑化することにより断熱効果も期待できると思います。また緑化によりより居心地の良い空間を創造することができますし、他の建物などから見下ろされる場合にも、灰色のスラブではなく緑化した環境を共有することができればと思います。
もちろん問題は何点かありまして、まずはコスト。屋上緑化のみならず人が屋根面に乗る前提で構造計算することになりますので、構造体へのコストアップにつながります。そして屋上緑化自体のコスト。これがかなりバカにならないレベルのコストがかかります。
そして最も問題になるのがメンテナンス。とかく沖縄の場合は台風などで雑草の種などが飛ばされてくることが多く、屋上緑化してもすぐに雑草でいっぱいになってしまいがちなのです。しかしこの点においては屋上緑化のテクノロジーである程度解消できるようなので、コストアップにつながりますが、雑草対策に有効な緑化システムを導入すると良いでしょう。水やりについては自動散水設備で対処可能かと思われます。
コスト面やメンテナンス面など屋上緑化のみならず屋上の有効利用には様々な障壁がありますが、第2の空間として有効活用すれば、より豊かな生活環境を創り出すことができるかと思います。環境に配慮しつつ、余すことなく空間を利用するためにも、この屋根面の有効活用は住まい構想には必須だと思います。
posted by 離島ドットコム管理人 at 17:37
| アイデア:外部空間