室内空間は沖縄でもある程度の通風が確保できればエアコン無しでも十二分に過ごせると思います。特に沖縄では日影と日なたの気温差が大きく、日影での通風を確保すれば夏場でも涼しさを感じることが出来ると思います。
基本的に室内の通風は窓が2方向、しかも相反する面に窓があると風がスムーズに流れます。角部屋のような90度を面する部分の窓でもある程度の通風は期待できますが、どうしても部屋を満遍なく通風を促すことはなかなか難しく、やはりベストなのは180度異なる面、つまり南側と北側のような場所に窓を設けることが望ましいと思います。
しかし南側に窓を設けるとなるとどうしても北側には廊下空間など共用部分に面する扉などが多く、なかなかかメインの窓の反対側に窓を設けることは困難かと思います。加えて廊下側に窓を設けるとセキュリティやプライバシー的に問題も生じることも多いかと思います。
しかし平屋もしくは最上階が前提になってしまいますが、その廊下側の扉の上にさらなるハイサイドライト(高窓)を設けることによって、プライバシーを守りつつ部屋に通風を促すことが可能となります。
廊下側には基本的にそれほどの天井高が必要にはならないので低く抑え、また部屋側は出来る限り天井高を高く取りたいので、その差を上手く利用すれば高窓が設けられる訳なのです。
しかもこの高窓。建築基準法上の排煙窓(煙を逃がす窓)としても扱えますので、大きな窓がある側のサッシュの形状などもかなり自由になると思われます。
そして高窓なので天井付近にこもった暑い空気を外に押し出しやすくなり、新しい空気をメインの窓から取り入れやすくなり、より室内環境の向上に繋がるかと思います。加えてもともと高窓は部屋の照度を均等に高める効果があり、メインの直射光のみならず廊下側の周囲光の明るさも得ることが出来ることでしょう。
このような窓を計画することにより常に通風が促されれば、室内環境はエアコン無しでもかなり過ごしやすくなり、補助的にシーリングファンを設ければ、より快適な室内空間をつくることができるだけではなく、インテリア的にも味わいのあるものになることでしょう。
リスクがあるとすれば高窓の開閉方式がコストの安い引き違いにすることは出来ず、倒し窓にすると雨を呼び込んでしまうので、結果的に突き出し窓というコストの高い方法を採用しないとならないこと。しかしコスト面以外ではそれほどデメリットが無い計画なので、理想の住まいとしては是非ともこの方式を採用したいと思います。
スポンサードリンク
2007年05月10日
エアコン要らずの空間構成・窓配置
posted by 離島ドットコム管理人 at 19:00
| アイデア:窓・扉・開口部