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2020年01月03日

建築士が一番?リアルな「士業」のメリット・デメリット

年始のニュースで「弁護士?建築士?会計士?結婚したいと思う「士業」ランキング」って出ていて、まさかの1位に・・・

「一級建築士」

思わず噴いたw

結婚したいと思う「士業」ランキング(CanCam.jp)

1位 建築士(一級建築士)(42%)
2位 弁護士(26%)
3位 税理士(11%)
4位 公認会計士(8%)
5位 司法書士(4%)

最近のドラマで主人公が建築士のものでもあったの?(テレビないのでわからない)。

その理由に「素敵なマイホームに住めそう」「新居を一緒に考えて理想のマイホームに住めそう」「DIYしてくれそうなイメージ」「給料も良さそうだし、家を建てる時に頼りになりそう」ってあるけど、それは大きな間違いでーーーすw

そもそも一級建築士は、あまり住宅は設計しません。特に木造は新たに設計することはまずありません(ほとんどが規格ものなので)。DIYは無資格でもできますし、一級建築士よりもDIYマニアの方が詳しいと思いますw


でも一級建築士は、手前味噌になりますがこんなメリットがありますよ。

・住宅情報の善し悪し判断
・住まい探しの際の建物チェック



そーなんです。建築士は「家づくり」ではなく「家さがし」に絶大なメリットがあるんです(笑)。正直なところ、一級建築士で自邸を自ら設計する人はごく限られた人で、ほとんどがマンションや一戸建てなど、出来合のものに住みます。「家づくり」の知識はあっても、自分の家にはあまり役に立ちません。

またDIYも、正直なところ一級建築士の方が知識に乏しい傾向。その理由は、DIYは無資格でもできるので、建築士は好んでやりません。基本「新築」ないし「大規模改修」といった建築士しかできない仕事がメインとなります。建築士だとDIY知識はあるものの、DIY経験は少ない人が多いかもしれませんね。

でも家探しとなると、数多の設計経験から、建物を少し見ればその善し悪しが一発でわかります。マンションとかでも、通常はお目当ての部屋しか見ませんが、建築士だと部屋より共用部分を重点的にチェックします。特に柱とその周辺の壁。クラック(ひび)の入り方でその建物の状態も強度も推測できまーす!


ちなみにランナー仲間には、何故か士業の人が多いんですよね。おそらく士業だと時間に自由が効くので、トレーニングや大会参加もしやすいのが理由かもしれません。私自身も、建築士ですし、ラン仲間には弁護士、弁理士、行政書士、司法書士、公認会計士、税理士などなど。よくもまぁこんなに士業が揃ったな〜って思えるほど。他にも「士」が「師」になりますが、友人に多いですし(医師・看護師・教師・針灸師など)、明確には「士業」じゃない「士」の人も多いです(栄養士・介護士・保育士など)。

なので自らの体験から、リアルに士業のメリット・デメリット。まとめました。

リアルに助かる「士業」の友人ランキング

1位 栄養士(士業じゃないけど本気で助かる)
2位 看護師(士じゃないけどいろいろお世話になります)
3位 税理士(経理だけでなくお金知識全般で助かります)
4位 建築士(売買でも賃貸でも家探しには役立つ?)
5位 行政書士(不動産売買の際はお世話になります)

5位の行政書士は、不動産売買でお世話に。友人だと手数料を安く。
4位の建築士は、自分で目利きできるのでメリットあり。
3位の税理士は、確定申告前のこの年始にはいろいろお世話になります。
2位の看護師は、専門しかわからない医師より医療全般に長けるので助かります。
1位の栄養士はちょっとした助言がまさに目から鱗。健康管理にメリット多大。


逆に、弁護士と医師は、個別の専門分野があるので、正直あまり役に立ちません(笑)。そもそも弁護士の場合、助けが必要な時って、明らかに「ネガティブ(不幸)」な時だけなので、用が無い方が幸せって証拠(笑)。あと司法書士は、一生に1回の「相続」の時ぐらいかな?弁理士・公認会計士は個人ではまずお世話になりそうな機会が無いので、メリットはあまり感じないかも。


そういう意味では、一級建築士はまだメリットはある方?家探しは一生ついて回りますからね。


ちなみに私は、国家資格の一級建築士と、あとリフォームの民間認定資格も有しておりますので、リフォームやDIYにも長けます(笑)。おすすめ士業となると、栄養士と看護師は「士業」じゃないので、個人的には「税理士」かな〜?お金は常について回りますからね。しかもリアルに数値的メリットがありますので、税理士の友達とは仲良くしておきましょうw

建築士は住まい探しの時だけ利用しましょうww

建築士の種類と違い(二輪免許でたとえると)

一級建築士 ありとあらゆるものを設計可能(限定解除免許)
二級建築士 実質3階建てまでの建物を設計可能(中型免許)
木造建築士 小規模な木造のみ設計可能(原付免許)


一級建築士免許証

kenchikushisample.jpg
posted by 離島ドットコム管理人 at 13:42 | 不動産:用語・知識

2017年02月03日

東京都の「都政改革本部」の方々は無知?豊洲問題での発言はナンセンス!

久しぶりの不動産・建築コラム。どうしてもあの方の発言に納得できないので綴った次第です。さすがにこの内容は「離島ブログ」には書けませんからね〜^^;


豊洲市場の建設費 1平米の単価は高級ホテルより高額



もちろん東京都知事の話です。正確には「都政改革本部」からの発言というか報告なんですが、元建築家の立場からすると「アホ丸出し」な発言です。

「高級ホテルより高額」って、そもそも高級ホテルは「箱」を売りにしているのではなく、「サービス」を売りにしているんですよ。「箱=高級=高級ホテル」という発想はアホ丸出しです。ホテルはサービスが全て。それをこういう話のネタに使わないで欲しいです。


でも、それ以上にアホ丸出しだったのは、そもそもホテルは高級であってもビジネスであっても、建設コストは安い。だって同じパターンの繰り返しだし、柱の本数も多いし、階高も低いので、建築自体のコストはマンションに次いで安いレベルなんです。

それに対して豊洲市場のような大空間建築は、パターン化しにくいですし、柱も少なく、大架構になるので、建築コストは猛烈に高いのは当然のこと。それを高級でもなんでもホテルと比較すること自体ナンセンス。

比較するなら、あなた方の管理する「東京ビッグサイト」です。

総工費2000億円弱でしたよね。用地費を除くと。延べ面積が23万m2ぐらいだったと思いますので、平米100万円近いですよ。それに対して豊洲市場は平米66万円と、ビッグサイトの「2/3」で済んでいます。

ちなみに東京都庁舎は総工費1570億円で、延べ面積は20万m2で、こちらも平米78万円と、豊洲を上回っていますよ。「東京都の都政改革本部」のみなさま!!!

しかも庁舎のようなオフィスビルは、先のマンションやホテルに次いで建設単価が安い。なのに、豊洲市場以上の建設費がかかっているんですよーーー!!!

その箱(庁舎)の中で、豊洲市場の建設費がどうこう言うべからず。

もっと勉強してください!都知事もこの東京都の都政改革本部の皆様も。自分の都合で建築コストを語らないでください。
posted by 離島ドットコム管理人 at 13:20 | 不動産:用語・知識

2011年01月31日

照明も空調も「アンビエント」よりも「タスク」!



多分、普通の方はこの「アンビエント」や「タスク」という言葉はあまり聞いたことがないかもしれませんね。

言葉の意味からすると「アンビエント(ambient)」とは「周囲の/あたり一面にある(Yahoo!辞書から引用)」で、「タスク(task)」とは「仕事/課業/学業/仕事の単位(Yahoo!辞書から引用)」となっていてよく分からないかもしれませんが、建築としてこの言葉はこのような意味合いになります。

「アンビエント」=「大空間(を包括する)」
「タスク」=「個別空間(を包括する)」

つまりのところ、オフィスで言うと「アンビエント=オフィス全体」を差し、「タスク=デスク回り」を差します。具体的に言うと照明だと天井照明が「アンビエント」で、デスクライトが「タスク」となります。でも最近は天井照明も細かいエリア設定が出来るようになっているものもあるので、「タスク」が天井照明ということもありますが、どっちにつけ「アンビエント」は大きな空間に効果があるものを差し、「タスク」は狭い空間に効果があるものと言えるかもしれません。

照明に関しては先の話のようにこの「タスク」と「アンビエント」という考えはかなり前からあって、最近のオフィス設計では必ずこれらを考慮して行うと思います。

いわゆる「タスク・アンド・アンビエント」。

まぁ一般生活では使わない言葉ですよね^^ゞ

でもこの「タスク・アンド・アンビエント」は省エネ効果がとてもあるんです。昔は全て「アンビエント」で行っていて、人が居ても居なくても照明や空調を稼働させていたので、エネルギーロスがとても大きかったですが、「タスク」を併用することによって必要なところだけに照明や空調を施すことができるようになるので、エネルギーロスがとても少なく、結果省エネに繋がるというわけなんです。

ただし、照明は先の話のように天井照明とデスクライトという明確な区分が出来ますが、空調に関してはなかなかそういう訳にもいきません。部屋全体をコントロールする空調はあっても個別エリアを空調するものはなかなか無いと思います。

でも夏場の場合は部屋全体は空調(アンビエント)で管理し、デスクに扇風機(タスク)を置けばそれで十分「タスク・アンド・アンビエント」にはなってエネルギー効率もとても良くなります。といってもオフィスで扇風機を設置するところは少ないですし、設置したとしても個人で行うことなので、全体として効果があるかは否かはやや疑問。

しかも冬場は扇風機のような個別空調機器はなかなか無いので、どうしても全体空調(アンビエント)に頼りがちです。

特に家庭の場合はルームエアコン1つで全て包括せざるを得ませんので、まさに「アンビエント」のみになってしまいます。

でも日本の場合、冬場の「タスク」になるのが「コタツ」だと思います。日本ならではのものかもしれませんが、あれこそ「タスク・アンド・アンビエント」の象徴みたいなもの。とても効率よく体を温められると思います。しかしオフィスでコタツを使うわけにもいきませんので、冬の仕事場での「タスク・アンド・アンビエント」はなかなか難しいかもしれません。

結果、冬のオフィスは過度の暖房を効かせてしまうので、エネルギー効率はとても悪いと思います。

空調そのものをエリア細分化可能な最新のものにすれば問題ないですが、それは建設する段階で行わない限り不可能。結果、個人が我慢するか省エネを無視して部屋全体を温めるかになってしまっています。

この空調の「タスク・アンド・アンビエント」化は以前から言われていることなのですが、なかなか難しい現実があります。そもそも温度は人によって感じ方が違いますからね。結果、夏場はブランケットで寒さをしのぎ、冬場は扇風機で暑さをしのぐなんて状況にもなっている現実。

結局のところ空調の「タスク・アンド・アンビエント」化の答えは未だに出ていないと思いますが、個人的には夏場は扇風機で「タスク」を管理し、冬場は個別ファンヒーターもしくは加湿器が「タスク」かな?ベストなのは「アンビエント」は天井から、「タスク」は床からというシステムなんですが、これは建設時でもなかなか難しいですからね。もちろん後付は不可能に近いと思います。

比較的行いやすいのがオフィスを大空間ではなく小分けにして空調効率を高めること。といっても空間を分けると仕事の効率などが悪くなる可能性がありますのであまり現実的ではないかもしれません。技術的には大空間で「エアーカーテン」なる設備を設ければ具体的に空間を区切らないでも小空間化は可能なんですが、その「エアーカーテン」も後から付けることがなかなかできるものではないので難しいかもしれません。パーティションも暖房では天井付近から暖気が漏れてしまいますのであまり効果はないですからね。

まぁ最も効果があるのが「在宅勤務」もしくは「テレワーク」でしょうね(笑)。究極の「タスク・アンド・アンビエント」でしょう。あとデスクを固定しない「フリーアドレスオフィス」も良いかもしれませんが、この自分のデスクを持たないという観念が未だに日本では受け入れられない状態ですが・・・

結局のところ、最新設備がある「オフィス」よりも従来型の設備しかない「家庭」の方がエネルギー効率が良いんですよね。皮肉ですが現実です(笑)。

ちなみに我が家では天井照明(アンビエント)は一切使っていません。全て「タスク」こと個別照明でまかなっています。デスクライト、キッチンライト、洗面ライト、ベッドライトなどなど。中には住んでから一度も使っていない天井照明もありますからね(笑)。おかげで我が家の電気代は一般よりかなり少ないようです。さすがに最も電気を食う冷蔵庫だけは仕方ないですが、照明に関してはかなり少なく済んでいると思いますよ。さすがにLEDは使っていませんが、白熱電球系は全て蛍光灯系に変えています。もちろんその蛍光灯系でもオレンジ色の暖色系のものも使ったりして、室空間を演出しています。

空調に関しても夏場はエアコンは使うものの最小限にして、「タスク」として扇風機を常時使っています。しかも1部屋1扇風機にして完全に「タスク」化しています。冬場に関してはベッドルームは寝るだけなので布団に入ればOKですし、リビングにはコタツ、デスクには卓上ファンヒーターで対応しています。強いて言えばダイニングと脱衣室など水廻りは我慢ですね。まぁ水廻りはそれほど気になりませんが、ダイニングはちょっと寒く感じることもあります。その時はリビングのコタツで食事をしちゃいますが(笑)。

みなさんもこの「タスク・アンド・アンビエント」という考えをもって省エネを実践してみませんか?

そして電気代を安くしましょう(笑)。

特に照明に関しては味のない「アンビエント」こと天井照明よりも「タスク」こと個別照明の方がインテリアにもなりますのでいろいろ楽しめると思います。デスクライト、スポットライト、間接照明などなど。やり出すときりがないかもしれませんが、この個別照明は移動可能なのでいろいろ楽しめると思います。しかも電気代も安くなると思いますよ^^v
posted by 離島ドットコム管理人 at 09:30 | 不動産:用語・知識

2010年04月04日

エレベーターのボタンの裏技?

意外と知られていないようなのでここに綴ろうと思います。
エレベーターのボタンの裏技。
間違った階を押してしまった場合の解消方法。




「ダブルクリック」
・・・マジです。




最近のエレベーターならほとんど「カチッカチッ」と2回同じ階のボタンを押すと選択が解除されます。
なので万が一、子供がいたずらした場合もこれですぐに解消!
ただし、型が古いエレベーターではできない場合もありますのでご了承願います。
ここ10数年ぐらいまでのものならまず大丈夫だと思いますよ。試しに自分が下りる階のボタンでチャレンジしてみてください。

結構この機能は便利。だけど全く広報されていないし明記もされていないので知らない人も多いかも?

ご活用くださいませ。
posted by 離島ドットコム管理人 at 15:26 | 不動産:用語・知識

2009年06月23日

ステンレスは錆びます。特に沖縄では。

金属素材でステンレスはみなさんもお馴染みかと思います。キッチンなどでの金属はほとんどステンレスで作られていますよね。あとフォークなどもステンレス製のものが多いかと思います。

その特徴は耐水性の良さ。

鉄だと水分によって酸化して「錆」になっちゃうことも多いですが、ステンレスの場合は水がかかってもなかなか錆びないことが特徴かと思います。

しかしステンレスも元をただせば鉄。鉄にニッケルやクロムを混ぜて水によって錆びにくくした合金なんですが、あくまで耐水性が高いと言うだけで錆びないわけではありません。たまに「ステンレス=錆びない」と勘違いをされている不動産業者の方もいらっしゃいますがあれは大間違いです。

ステンレスは錆びます。特に沖縄では。

というのもステンレスは真水には強いですが、塩分を含んだ水分にはものすごい弱いんです。沖縄の場合は海に囲まれていて塩分濃度の高い空気が吹き付けますので、外部空間にステンレスを使うとあっと言う間に錆びてしまいます。この状況は沖縄のみならず海に面するもしくは海が近い地域については言えることなので、そういうエリアの方は特に「ステンレス=錆びない」という発想はかなり危険かと思います。

とかくステンレスは建築家からすると耐水性に富んでいてもともと鉄なので加工もしやすく、しかも強度が高いので外部空間などに使いたくなりますが、使えるとしても海から離れた塩分濃度を気にしなくても良い場所ぐらいかと思います。特に日本は島国なので海に囲まれているためにこの塩害を受けやすい地域が多いので、外部空間でのステンレスの過信はとても危険かと思います。

ちなみに沖縄だと雨がかからない軒下であっても半年もしないうちにステンレスの一部が錆びました。まぁ海が近い軒下だったということもありますが、雨がかりが無い軒下でもこの状況なのでいかに沖縄の場合はステンレスが外部空間に不向きかということが分かります。

耐水性があって錆にも強い金属となるとアルミなんですが、いかんせんアルミは強度が弱くそして折り曲げなどが容易にできないので加工性が悪いんです。窓枠なんかも見ると折り曲げ加工ができないから部材と部材をボルトなどで止めて固定していると思います。溶接はできないこともないんですが、溶接のしろがあまり見た目的によろしくないので基本的にボルトなどによる接続になってしまいます。なので見た目的にステンレスやスチールのような自由度がないのが難点。

ちなみに外部空間の金属としてステンレスよりスチールに溶融亜鉛メッキを施したものの方がまた塩害には強いかもしれません。しかも基本的に鉄なので単価もステンレスよりかなり安いですからね。そういう意味で建築家時代で外部空間にはステンレスは避けてスチールの溶融亜鉛メッキ塗装のものを使うことが多かったです。でも溶融亜鉛メッキは景観的に味気ないのが難点ですが。ステンレスのような輝きは望めないのでその点ちょっと辛いですけどね。

とにもかくにもステンレスは錆びますので、これからマイホームを造ろうと思っている方は見た目よりも耐久性を重視して素材選びをしましょう。とかく建築家は見た目重視の設計をする方が多く、やたら外装にステンレスを使いたがります。しかもステンレスは竣工・引き渡し時はとてもキレイでいいのですが、1年、2年経つと徐々に錆びてくすんできますので、最初だけ!ってことにならないように注意しましょう。
posted by 離島ドットコム管理人 at 12:54 | 不動産:用語・知識

2009年06月11日

網入りガラス

マンションなどに窓ガラスに網目が入っているものをよく目にしますよね。あれを「網入りガラス」と言いますが、このガラスについても勘違いされている方も多いので、ここで綴ってみたいと思います。

もともと網入りガラスは防犯上、ガラスを割られても中に入ることができないというメリットもありますが、一番の目的は防火性。このガラスが使われる場所は隣戸や近隣から延焼のおそれがある部分がメインで、具体的な場所で言うと「隣りの住戸や家や建物が近い窓」、「道路を近くに面する窓」、「マンションの階段やエレベーターなどが近い窓」などがあげられます。つまり自分が意図しないエリアで火災が起きた場合にその延焼を受けやすいという場所。隣戸の場合は隣が火事の場合、道路に関してはあらゆる状況を想定して、エレベーターや階段に関しては他の階での火災における火や煙の通り道になりますからね。

そんな場所で火災が起きても網入りガラスならガラスは割れても網が残っていますので、延焼が食い止められると言うことなんです。でも実際の所、この網入りガラスを設計者が好んで使うことはあまり無く、あくまで建築基準法で規定されているから使う場合が多いんです。

その結果、同じ面の複数のガラス窓でも1つは網入りでもう1つは網無しということもありますからね。そういう場合は片方が隣戸に近いが故にそうなっている場合もありますからね。

それはさておきこの網入りガラスの勘違いの話。この網入りガラスは一見、ガラスに鉄線などが入っていて強度が高くなっているように思う人もいるかと思いますが、実際はその逆。網入りガラスはガラスの中でもかなり強度が低いんです。以前、網入りガラスを見て「強化されたガラス」と言っている人がいたくらいですからね。逆なんですけどね・・・。

というのも網入りガラスはその鉄線を入れるためにガラスを2つに分けてしまうことになり、実際の強度はその分かれている1つの厚さぐらい弱くなってしまうんです(実際の強度は諸条件で差異します)。なので建築家からするとこの網入りガラスはとても割れやすいガラスという認識であり、強度が強いガラスという解釈とは正反対なんです。

しかも単価が高いのであまり使いたくはないのですが、いかんせん建築基準法で延焼のおそれがある部分には使わないと確認申請が降りませんからね。なので仕方なく使っている感じです。

割れやすくてしかも単価が高いこの網入りガラス。特に透明ではなくガラスの表面が凸凹しているくもりガラス的なものに関してはさらに強度が弱いので、網入りガラスは最低限の場所だけに使うのがおすすめです。

確かに防犯性は高いですが、強度があまりに弱くてしかも単価が高い。

これから網入りガラスを見ても「強化されたガラス」ではなく「防犯性や防火性は高いけど割れやすいガラス」と判断しましょう。
posted by 離島ドットコム管理人 at 12:02 | 不動産:用語・知識

2009年06月06日

14階建てマンションが多い理由

沖縄にはあまり高層のマンションは少ないですが、本土では比較的高層のマンションは多いと思います。でもそのマンション。なぜか14階建てが多いと思いません?もしくは14階建て以下のマンション。でも15階建てってなぜか少ないんですよね。

それには明確な理由があるんです。14階建てになる理由が。

1つ目は15階建て以上になると通常のエレベーター以外に消防活動に利用する「非常用エレベーター」の設置が義務付けられるということ。つまり14階建てまでならはしご車が届くという前提でこのような法規になっているんです。でも今の時代では15階以上にも届くはしご車もあると思うんですけどね。まぁ建築基準法は古い法律ですからね。

2つ目はマンションって1階あたりの階高がおおよそ3m前後なんですが、建築基準法では高さが31mを超えると急に法規が厳しくなるんです。つまりマンションだと10階建てまでは通常法規でOKなんですが、それ以上になるとさまざまな規制がかかるのです。でもその規制も31mを超える部分が4階までは緩和規定があって、そのために実質14階建てになるということなんです。

この2つが14階建てマンションが多い大きな理由かと思います。なにせたった1フロア増やすだけで様々な規制がかかってコストアップになるので、設計者としても15階建てや16階建てなどの中途半端な階数の建物はあまり設計しないようにしています。

ちなみにそれ以上だと20階建てが多くなるのですが今度は高さが60mという高さで規制が大きく変わるからなんです。20階建てだと3mの階高で60mになりますからね。その次は高さが100mで大きく規制が変わりますので、30階建てとか33階建てとかが多くなるんです。この2つの高さは「緊急救助スペース」や「緊急離着陸場」の設置義務が生じるか否かの違いです。要はヘリポートの設置義務が生じるか否かということ。

ちなみに「緊急救助スペース」とは屋上に「R」のマークがあるものでヘリコプターが着陸こそできないもののホバリングして救助を行うことができるスペースというもので、「緊急離着陸場」とは「H」マークがあるものでヘリコプターが離着陸できるものということ。このヘリポートってものすごいコストがかかりますし、また設置する為に様々な制約が生じるので、設計者としてはあまり設置したくないですからね。

でも私が設計した建物の中には地上160mの47階建てというものがありましたが、さすがにそこまでくると最初からヘリポートは設置する前提でしたのである意味楽でしたよ。

なのでこれらの高さの規制があるがゆえに、その規制の境界線となる14階建て、20階建、33階建てのマンションが多くなっているんです。
posted by 離島ドットコム管理人 at 18:01 | 不動産:用語・知識